鹿児島市の中心部、路面電車が行き交う街並みに静かに佇む老舗「うなぎの末よし」。
創業昭和7年、地元民からも旅行者からも愛され続けている、鹿児島を代表する鰻の名店だ。

この日いただいたのは、「うな重 竹」。
一歩足を踏み入れた瞬間から、ただならぬ香ばしい香りに心が躍る。

目次
◆ 香ばしく、ふっくら。炭火焼きの真骨頂
ほどなくして運ばれてきたうな重。
蓋を開けた瞬間、湯気と共に立ち昇るタレと炭火の香り。その時点で、もう“勝ち”は確定している。
目の前の鰻は、外は香ばしく、中はふっくら。
鹿児島県産のうなぎを、備長炭で丁寧に焼き上げているのだという。
皮の香ばしさ、身の柔らかさ、そしてほんのり甘めのタレ。
どれもが主張しすぎず、調和のとれた一体感がある。まさに老舗の仕事。

◆ 「竹」の品格。ご飯とのバランスが絶妙
「竹」は、うな重の中では中間のグレード。
だが、その内容は“ちょうどいい贅沢”と言えるボリューム感。鰻の量とご飯のバランスが絶妙で、最後までタレの旨みを余すことなく楽しめる。
肝吸い、お新香もついていて、箸休めの妙も抜かりない。
特に肝吸いの優しい味が、うな重の濃厚さを中和してくれて、食後感は意外にもすっきり。

◆ 末よしの店内は、懐かしくて心落ち着く空間
店内は、老舗らしい落ち着いた和の雰囲気。
小上がりの座敷もあり、ゆっくり食事を楽しめる空気が流れている。
観光客も多いが、地元の常連さんが昼時にふらりと現れるのが何よりの信頼の証。


■ 店舗情報:うなぎの末よし
- 所在地:鹿児島県鹿児島市西千石町8-18
- アクセス:鹿児島市電「高見馬場」電停より徒歩3分
- 営業時間:11:00〜14:30/17:00〜20:30(木曜定休)
- 備考:昼どきは混雑必至。開店直後の来店がおすすめです。
◆ まとめ:一度は訪れたい、鹿児島うなぎの名店
鹿児島の鰻は、関東とも関西とも違う“地元スタイル”が根付いている。
その魅力を、丁寧な仕事と確かな味で伝えてくれる「うなぎの末よし」。
「観光のついで」ではなく、この一杯のために立ち寄る価値がある。
そう思わせてくれる、名店だった。
次回は「松」で、贅沢のその先を味わいたい。