【熊本ラーメンの真髄】黒亭本店でいただく、玉子入ラーメンの衝撃

2025年8月23日

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熊本駅から徒歩10分ほど。
歴史ある街並みに馴染むように佇む名店「黒亭（こくてい）本店」。
昭和32年創業、熊本ラーメン界を語るうえで外せないこの老舗に、ついに足を運ぶことができた。

お目当てはもちろん、玉子入ラーメン。
とろりとした半熟玉子が映える、名物の一杯だ。

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注文してほどなく運ばれてきた玉子入ラーメン。
丼から立ち上る香りは、まさに“熊本”。焦がしにんにく油（マー油）の香ばしさが鼻を抜け、食欲を一気にかき立てる。

スープは豚骨ベースだが、重すぎず、それでいてコク深い。
一口すすれば、まろやかな甘みとにんにくのパンチが絶妙なバランスで広がる。これぞ黒亭の真骨頂。

主役とも言える“玉子”は、スープの熱でほどよくとろける半熟タイプ。
黄身の濃厚さがマー油と豚骨スープに溶け込み、旨味の層が一段と深くなる。
麺に絡めてもよし、レンゲでスープとともにすくってもよし。まさに万能な名脇役。

麺は少し固めに茹でられた中太ストレート。
熊本ラーメンらしく、小麦の風味をしっかり感じられる食感で、食べごたえがある。
濃厚スープと絡んでも負けない、力強い麺だ。

トッピングのカリカリにんにくチップがいい仕事をしてくれる。
香ばしさと食感のアクセントになっており、スープを飲む手が止まらない。

チャーシューは昔ながらの味わいで、脂身と赤身のバランスが絶妙。口の中でほどける柔らかさ。

一口目から最後のスープ一滴まで、完璧に計算された味の重なり。
「黒亭」の玉子入ラーメンは、まさに熊本ラーメンの完成形だった。

観光のついでではなく、“この一杯のために熊本へ行く”——
そんな価値がある、名店中の名店だ。